「微生物学検査」一部内容変更のお知らせ

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は、格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
このたび、弊社では下記期日より新たな微生物検査体制に移行させて頂きます。
この移行に伴い、微生物学検査の検査内容につきまして一部変更いたしますので、取り急ぎご案内申し上げます。
弊社では、先生方のご要望にお応えするため、検査技術の向上に努めてまいります。
今後とも何卒、ご利用賜りますようお願い申し上げます。

謹白


■変更期日:
2016年7月12日(火)報告分より


●微生物学検査変更に際して
 20世紀は多くの抗菌薬が開発され、抗菌化学療法は細菌による感染症の有効な治療法となりました。化学療法は医学領域のみならず獣医学、薬学、農水産学などの分野でなくてはならないものです。しかしながら、その応用範囲が広がり、使用量が増加した結果、耐性菌の出現とその蔓延が問題となり、さらには国内における抗菌薬開発の低迷が危惧されています。
 このような現状におきまして、今ある抗菌薬を適切に使用し、耐性菌感染症を治療することが重要であると考え、弊社といたしましても諸先生方のお力を貸して頂きたくお願い申し上げます。
平成28年4月5日に国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議にて「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2016-2020」が発表されました。このたびこのアクションプランに対応できるよう①動物種の詳細な報告、②耐性菌検出時のコメント報告、③一般細菌薬剤感受性検査につきましてはMIC(最小発育阻止濃度)測定させて頂きます。従来より弊社では関連学会、研究会にて薬剤耐性菌の分離状況等をご報告させて頂いております。今後も行政、関連学会等へ積極的に発表いたします。つきましては先生方からお預かりいたしました検査材料より分離した病原微生物データをご依頼施設が特定できないよう匿名化し、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに寄与できるよう活動を行う予定です。
何卒、ご支援ご協力賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

●動物種、品種の報告
 動物種および品種をご報告いたします。ご依頼時に、細菌検査依頼書 動物種欄にご記入をお願いいたします。
ご記入いただきましたデータを報告書の動物種欄にてご報告いたします。

《報告例》
 動物種 犬 トイ・プードル
 動物種 猫 マンチカン

●各種コメント報告
 分離された細菌についてのコメントによる情報提供やご連絡が必要な検査情報のスペースを広げたコメント欄にてご報告いたします。
《報告例》

上記の緑膿菌はメタロβラクタマーゼ産生菌です。
メタロβラクタマーゼはその活性に亜鉛(金属)イオンを必要とすることからメタロβラクタマーゼと呼ばれております。
カルバペネム系薬を含む各種β-ラクタム系薬に耐性を示し、感染対策が必要な細菌です。

●一般細菌検査 薬剤感受性検査実施薬剤の施設別報告名称の対応
 薬剤感受性検査実施薬剤の名称を、ご施設で使用している製品名での報告が可能となりました。本対応につきましては、ご施設毎の薬剤感受性セット登録が必要となります。弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。
《報告例》

薬 剤 感 受 性 検 査
化療記号 薬剤名 検査結果① 検査結果②
ABPC アミペニックス S R
CEX セファクリア S S
OBFX ビクタスS S S

●新規受託項目 「一般細菌検査MICセット」のお知らせ
 微量液体希釈法によるMIC(最小発育阻止濃度)の報告をスタートいたします。下記の薬剤がMIC報告対象薬剤となります。判定基準がない菌種に関しましては「*」報告となります。

●一般細菌検査、抗酸菌検査報告書の変更
 報告内容変更対応のため、報告書サイズをA4へ変更いたします。

《一般細菌検査報告書印刷例》

《抗酸菌検査報告書印刷例》