肥満細胞腫の診断に使えますか?

▲本検査はメシル酸イマチニブの効果を予想するものであり、肥満細胞腫であるのか否かを判別するものでありません。

ヒトの医療では、メシル酸イマチニブが慢性骨髄性白血病(CML)に使われていると聞きました。犬・猫のCMLでも著効しますか?

▲ヒトではフィラデルフィア染色体という遺伝子の異常が原因の慢性骨髄性白血病の症例に著効しますが、犬・猫ではフィラデルフィア染色体が確認されていません。したがって、効果の有無は明らかにされていません。

ヒトの医療では、メシル酸イマチニブが腸管間質腫瘍(GIST)に使われていると聞きました。犬・猫のGISTでも著効しますか?

▲犬では、c-kit遺伝子に変異を持つ腸管間質腫瘍(GIST)の症例が複数報告されています。また、変異を有しメシル酸イマチニブが著効したという報告が1報あります。したがって、理論的には著効すると考えられていますが、大規模な調査が行われていないため、著効する割合などは明らかにされていません。

スライド標本や病理診断の切片から検査できますか?

細胞診用のスライド標本から検査できます(固定、染色、封入、いずれの段階からも可能)。ただし、塗抹した細胞の数が極端に少ないと十分なDNAが採れない場合があります。可能ならば、複数枚ご用意ください。病理診断のパラフィン切片で検査を行うことはできますが、お勧めできません。DNAはホルマリン固定により切断されるため、検査の感度が低下します。場合によっては、変異の有無を判別できない場合があります。病理診断を優先して行う場合には、採取した組織の一部をホルマリン固定せず、凍結保存して下さい。半永久的に解析が可能となります。