c-kit遺伝子変異検査
(メシル酸イマチニブの効果予測検査)



検査の特徴・臨床的な意義
肥満細胞腫(MCT)の一部の症例では、増殖因子の受容体(レセプター)であるC-KITに変異が存在します。変異を有する症例では、分子標的薬であるメシル酸イマチニブが高い確率で著効することが報告されています。本検査ではc-kit遺伝子に変異が存在するのか否かを明らかにし、メシル酸イマチニブの効果を予測します。

イマチニブの作用機序



肥満細胞の細胞膜には、成長因子の受容体(CKIT)が存在します。
(1) 正常なC-KIT
C-KITが2量体を形成し、幹細胞因子(SCF)が結合すると、細胞内に増殖刺激が伝わります。増殖刺激は
厳密に制御されています。

(2) 変異型C-KIT
C-KITに変異が起こるとSCFの結合がなくても細胞内に過剰な増殖刺激が伝わり、肥満細胞が腫瘍化します。

(3) イマチニブの作用
変異により生み出される過剰な増殖刺激を抑制し抗腫瘍効果を発揮します。



参考資料
肥満細胞腫におけるc-kit遺伝子の変異率(社内データ)
細胞診もしくは病理診断により肥満細胞腫と診断された症例において、c-kit遺伝子の変異率を算出しました。