新規受託項目のお知らせ(抗グロブリン)

2020年2月

先生各位

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
このたび下記検査項目の受託を開始いたしますので、ご利用いただきたく
ご案内申し上げます。

謹白

-記-

■新規受託項目:イヌ 直接クームス(抗グロブリン)試験[項目コード:5260]

■新規受託開始日: 2020年2月5日(水)受付分より
※依頼書にご記入の際は検査依頼書の空欄にクームスとご記入下さい。
以上

※裏面をご覧下さい。

●イヌ直接クームス(抗グロブリン)試験

イヌにも免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、寒冷凝集素病など自己免疫疾患が存在し、この疾患を判明するにはクームス(直接抗グロブリン)試験が有用となります。

■検査概要:

項目コード 5260
項目名 イヌ 直接クームス(抗グロブリン)試験
必要検体・検体量 EDTA血液(全血)・1ml
保存条件 常温(室温)
報告日数 ~2日
測定方法 凝集法
基準値 (-)
検査料金 2,500円(税別)

血液中の血球とクームス血清と反応させ、当センターでは、温式(IgG)、冷式(IgM)による凝集を確認致します。イヌの血球に抗免疫グロブリン抗体(クームス血清)を加え赤血球凝集反応が起きるか否かを検査します。
分子量の大きいIgMクラスの抗赤血球抗体は、生理食塩水中で赤血球凝集させることができますが(完全抗体)、分子量の小さいIgGクラスの抗赤血球抗体の場合には、凝集させることができません(不完全抗体)。直接クームス試験は生体内ですでに血球と結合している不完全抗体を検出する方法となります。
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)や、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)を産生することによる疾患では、すでに体内で抗体が感作されているため、直接クームス試験は陽性となります。

<測定法の原理>


※本試験を実施する場合、主に以下のような所見も見られる場合もあります。
溶血所見:AST(GOT)、LDH、TBIL、網状赤血球などの増加、ハプトグロブリンの減少が認められ、AIHAを疑う症状が出ている場合。

【本検査にて陽性となる疾患】
温式抗体による自己免疫性溶血性貧血(特発性・続発性)、寒冷凝集素症(CAD)、発作性寒冷ヘモグロビン尿症(PCH)、同種免疫性溶血性貧血、薬物誘発性免疫性溶血性貧血などが挙げられます。